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ウェットスーツの種類

サーフィンの歴史において、サーフィングッズは時代と共に常に進化をしています。

古くは、木製の船のようなものからスタートしたと言われているサーフィンですが、ターンの際のパワーに耐えられるように樹脂で覆ったり、軽量化のためにポリウレタン素材を使用してみたり、さらに軽量化するためにポリエステルを使ってみたり・・・などなど。

ボードに合わせて当たり前のようにフィンも進化し続け、それに付随するグッズも歴史と共に日々進化を続けています。

それは一重に、各国の最前線を行くサーファーたちが 常にサーフィンに対する飽くなき探究心を燃やし続けているからこそ。

もちろんそれは、ウェットスーツにおいても同じ。

とある島で発祥したといわれるサーフィンも、その島を訪れサーフィンを見た人が自分の地元で広め、さらにそれを見た旅行者が帰ってから自国で広め・・・という風に広まっていったのでしょう。

海に浸かるのだから、やはり温暖な地域のスポーツという認識だったのではと思います。

しかしながら、常夏の島でスタートしたサーフィンも、現在では極寒の地でも波さえあれば楽しめるスポーツにまで発展しています。

それはやはり先人たちが、寒い日でも、水が冷たい地方でも、いつでもサーフィンを楽しめるようにしたいという思いを形にしていったからこその現在であるのではないかと思います。

そして今を生きる私たちは非常に恵まれていて、ウェットスーツが初めて世に誕生した時代と比べてはもちろん、10数年前というサーフィンの歴史の中でもごく最近であろう"過去"と比べても、現在のウェットスーツは驚くべきほどに進化を遂げています。

そんなウェットスーツですが、長袖・半袖・はたまた上半身だけのものまで多くの形が存在します。

今回のコラムでは、ウェットスーツの形ごとの特徴や代表的な生地の特徴などなど紹介していこうと思います。

ぜひ一つの知識として、ウェットスーツを選ぶ際の参考にして頂ければと思います。

ウェットスーツの種類・形

サーフィンがスポーツ/レジャーとして世界的に認識されている昨今では、多くの形のウェットスーツが存在します。

形というとざっくりですが単純に、Tシャツに半袖と長袖があるように、ウェットスーツにも半袖や長袖・ノースリーブ・半ズボンなどなど目的や季節に応じた多くの形が存在します。

まずはそちらを順番にご紹介いたします。

フルスーツ - ドライスーツ

真冬用・冬用、寒冷地用

長袖 / 長ズボン。

サーフィン用ウェットスーツの中では最も水密性が高く、ブーツが一体型になっているのと、ややルーズなフィット感が特徴。

水の侵入がほとんどなく、中にはスウェットなどの衣服を着て着用することも可能です。

地域や求める保温性/運動性により、5mmや3mmなど適正な生地の厚みも変わります。

フルスーツ - セミドライスーツ

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真冬用・冬用

長袖 / 長ズボン。

現在のサーフシーンでは冬のウェットスーツの定番。

ファスナーに防水ジップが使われていたり、手足首に浸水を軽減する仕様が施されているものが多い。

生地の厚みはボディ/下半身が5mm、腕部分が3mmになっている5/3mmセミドライが主流。

​地域や用途、求める運動性能により4/3mmにする事も。

​フルスーツ - 3mm

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春・秋用

長袖 / 長ズボン。

春、秋に活躍するジャージ生地のフルスーツ。

生地厚は3mmが主流で、ブランドにより運動性を高めるため袖部分のみ2mmにする 3/2mmフルスーツもあります。

ジャージ生地が多いですが、保温性の向上やクラシカルな見た目が人気なことから、上半身のみラバー素材を使用しているものもあります。

体温低下防止や日焼け防止、クラゲ被害防止になるので、真夏時期でもフルスーツを着用する方は意外に多くいらっしゃいます。

シーガル

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春・夏・秋用

半袖 / 長ズボン。

外気温が高くなってくる5月・6月あたりから秋口まで活躍するウェットスーツ。

外気温は高いけど水温はやや低めな時の体温低下防止に活躍。

また、半袖なのでパドリングにストレスもなく非常に人気なウェットスーツになっています。

ロングスリーブスプリング

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春・夏・秋用

長袖 / 半ズボン。

通称 "ロンスプ"・"ロンスリ" と呼ばれる形です。

水温が高くなってくる夏前くらいから活躍。

上半身の保温性が高いので、風が強い日にも重宝します。

水温の高い地方などで特に人気が高いです。

真夏時期の朝一サーフィンなどにも◎。

スプリング

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初夏・夏用

半袖 / 半ズボン。

7月頃の水温が高くなってきた夏に活躍するウェットスーツ。

真夏のサーフィンでも、朝一の外気が涼しい時間帯、風が強い日などに重宝できるタイプのウェットスーツです。

ロングジョン

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夏・真夏用

袖なし / 長ズボン。

夏時期のサーフィンの体温低下防止に活躍。

クラシカルな見た目から、ロングボーダーやミッドレングスライダーに人気の形。

​タッパーと合わせる事でフルスーツのようにも着用でき、汎用性の高いウェットスーツです。

ショートジョン

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夏・真夏用

袖なし / 半ズボン。

夏時期のサーフィンの体温低下防止に活躍。

クラシカルな見た目から、ロングボーダーやミッドレングスライダーに人気の形。

​タッパーと合わせる事でロンスプのようにも着用でき、汎用性の高いウェットスーツです。

タッパー

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真夏用

上半身のみ。

真夏時期のサーフィンで、ボードショーツと合わせて着用するタイプ。

ボードショーツのみで長時間入水していると徐々に体温が奪われていきますが、タッパーが体温の低下を防いでくれます。

見た目がおしゃれで着脱しやすいフロントジップタイプ、運動性の高い背面ハーフジップタイプ、長袖半袖など、ニーズに合わせて様々なものが販売されています。

 

​基本的な形だけでもこれだけ多くの種類が存在するウェットスーツですが、上記の9種類の形の名前を覚えておいて頂ければ、お店の人に聞く際もネットで探す際も、自身の目的や用途に沿ったウェットスーツを探しやすくなりますので、ぜひこの機会に覚えておいて下さいね。

ウェットスーツの生地

続いては、ウェットスーツの生地の種類についての紹介です。

ウェットスーツといえば皆さん伸縮性のあるゴムのイメージがあるかと思いますが、偏にゴムといっても世の中には実に多岐にわたる種類のゴムが存在しています。

そんな中でもウェットスーツに使用されるゴムは、クロロプレンゴム(ネオプレン)と呼ばれるものです。

クロロプレンゴムは多くの気泡を含み、それにより浮力・保温力を確保します。

クロロプレン単体での使用は基本的にできず、縫製しようとすると裂けてしまいます。

その為、片面もしくは両面に生地を貼り合わせます。

その貼り合わせた生地の性能により、ウェットスーツの保温性や伸縮性が変わってきます。

(もちろん、クロロプレン自体の品質によっても左右されます。)

こちらの項目では、いわゆるジャージ生地や起毛生地など、代表的なウェットスーツ素材の基本的な違い、特徴などを説明していきたいと思います。

 

ジャージ生地

3mmフルスーツや夏用のウェットスーツで定番の素材。

セミドライスーツ、ドライスーツでも表面の素材として貼り合わせされている事も多いです。

基本的にはウェットスーツ生地の中でも最も伸縮性に優れるのがジャージ素材です。

ジャージの中でも、伸縮性は低いがコストパフォーマンスの高いノーマルストレッチや、伸縮性に非常に優れるストレッチジャージ、保温性に優れるジャージ素材など、その種類は非常に多岐にわたり、ブランドごとにより様々なランクの素材が用意されています。

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起毛生地

セミドライスーツなど冬用のウェットスーツや冬用のブーツ / グローブ / キャップの内側生地として貼り合わせされることが多い生地です。

保温性が高い生地、水はけの良い生地など、こちらもブランドごとに様々なランクの素材が用意されています。

​また、起毛素材は基本的にジャージに比べて伸縮性が劣り、やや固く感じてしまうのが難点です。

※起毛素材なのに伸縮性に優れるというハイテク素材もございます。

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ラバー / スキン生地 (スムーススキン)

タッパーやロングジョン、冬用のウェットスーツや冬用のブーツ / グローブ / キャップ の表側の生地として貼り合わせされることが多いラバー素材の生地です。

ツルツルしてやや光沢のある見た目。

ジャージに比べて伸縮性能には劣りますが、日光を集めてくれる事と、風を通さない生地なので保温性が高くなっています。

また、メッシュスキンに比べるとやや破れやすく、取り扱いには一際注意が必要なのが難点ですが、メッシュスキンよりも伸縮性に優れ軽い着用感を感じられるのが特徴です。

見た目もクラシックに仕上がるので、3mmフルスーツや夏用のロングジョンの表地に使われる事も多いです。

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ラバー / スキン生地 (メッシュスキン)

タッパーやロングジョン、冬用のウェットスーツや冬用のブーツ / グローブ / キャップ の表側の生地として貼り合わせされることが多いラバー素材の生地です。

ジャージに比べて伸縮性能には劣りますが、日光を集めてくれる事と、風を通さない生地なので保温性が高くなっています。

また、スムーススキンよりも生地自体の強度が高く、スムーススキンよりもスレなどに強く丈夫なラバー素材です。

見た目もクラシックに仕上がるので、3mmフルスーツや夏用のロングジョンの表地に使われる事も多いです。

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ウェットスーツ素材として基本的なものを紹介させて頂きました。

ジャージ素材、起毛素材の2種類に関しては特にですが、既製品ウェットスーツとフルオーダーウェットスーツでは、使われている素材のランクには天と地ほどの差があります。

続いては、既製品とフルオーダーウェットスーツの基本的な違い、メリットやデメリットに関して軽くお話しします。

既製品とフルオーダーの違い

フルオーダーウェット

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文字通り、ほぼ全てが自身の望み通りに製作できるウェット。

メーカーによりカットデザインや製作可能なジップの種類は異なりますが、メーカー独自のデザインジャージやカラージャージなどを任意の箇所に使用できるので、この世に1着だけの自分好みなデザインのウェットスーツが出来上がります。

​また、ウェットスーツのサイズ自体もサーフショップスタッフやメーカー営業担当者の方に、自身の体のあらゆる箇所のサイズを測ってもらうなどしてピッタリジャストサイズの自分専用ウェットが作れます。

また、既製品で使用されている生地に比べて非常に高性能なものが多く、サイズが自分ぴったりな事に加え既製品でのサーフィンよりもオーダーウェットでのサーフィンの方が遥かに快適にラウンド可能です。

フルオーダーのメリット

・自分にぴったりなサイズのウェットを着られる !

筋トレなどで身体ががっしりとしている方や、逆に細身の方でも安心!!

・多くが日本製、安心の高品質 !

日本国内の工場で生産され、縫製も生地の品質も最高級!!

・真冬でも非常に暖かく快適にサーフィンができる !

オーダーラインでは最高級の起毛素材が使用されているものが多数!!

・既製品に比べ柔らかく快適な素材も多数 !

伸縮性に富む素材も多いので、既成に比べ着用時のストレスが極少です!!

・人と被らない、自分だけのオリジナルデザイン !

既成ウェットに比べ、所有欲も MAX です☆

フルオーダーのデメリット

・日本製&高品質なので高価格

既製品の倍以上もの値段・・・。 ただ、その分モノは間違いないです。

・手にできるまでに時間がかかる

オーダー繁忙期だと1ヶ月以上待つこともしばしば。

既製品ウェット

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各メーカーが算出した既成サイズに則り製作されたウェットスーツ。

俗に "吊るし" とも呼ばれ、店頭に並んでいるのでその場で購入が可能です。

メーカーごとに細かなサイズ感は異なるものの、日本のウェットスーツブランドであればほぼ同じサイズ感で自身のサイズを選ぶことが可能。

日本のウェットスーツブランドでも、ごく稀に既製品は海外生産を行っているブランドもあるので、その際はサイズ感や生地 / 縫製の品質にも注意が必要。

​当店で取り扱いの既成品ウェットスーツはほぼ日本国内で生産されている高品質なものになります。

既製品のメリット

・フルオーダーに比べ低価格

お財布に優しいのは確実に既製品。倍近くは変わるものもあります!!

・シンプル目なデザインのものが多め

シンプルなデザインを好む方は、既製品で充分というお声も。

・その場で試着 ! 即購入、即日使用が可能 !

店頭ですぐに購入できるので、使用予定までに時間がない時でも◎

既製品のデメリット

・中には粗悪なモノも・・・

海外で大量生産されるウェットスーツもあり、日本製のものに比べると縫製が粗かったり、生地が固かったりするモノも・・・インターネットで多く流通する激安ウェットには要注意!!

目安となる値段帯はウェットの形によっても変わりますので、不安な方はサーフショップに確認しましょう!!

・オーダー品に比べると低性能

高品質なオーダーウェット素材に比べ、既製品はコストバリューに重点を置いているモノも多いので、性能自体はもちろん下がります。

ただ、人によっては既成で充分!! という方もいらっしゃるのでそれはお好み。

当店の店頭でオーダー可能なウェットスーツブランド。

オーダーをお考えの方は、ご来店前に一度チェックしてみて下さい☆

BEWET - ビーウェット -

RINCON WETSUITS - リンコン -

RIPCURL - リップカール -

SELECT - セレクト -

O'neill - オニール -

その他、 BODY GLOVE 、XCEL 、BGZ も取り扱いございます。

オーダーウェット、既製品ウェットの大まかな違いとそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。

いかがでしたでしょうか?ウェットスーツの基礎知識コラム。

締めくくりとして、オーダーと既製品の違いのみに焦点を当ててみますが、今でこそ "吊るしのウェットで十分" というお客様の声も多くなってきましたが・・・

一昔前までは 既製品 = 低品質・固い というようなイメージすらありました。

昨今ではウェットメーカーさんの努力もあり、既製品ウェットスーツでもそれなりの機能性を持ったものがとても多くなりましたので、販売をしている僕らですらも、吊るしで十分な形もあるよなと思うほどです。

特に袖周りが気にならないシーガルや、ロングジョンなどは。

しかし、冬用のウェットスーツに関しては、やはりフルオーダーに勝るモノはありません。(地域にもよるかもしれません。)

オーダーラインの起毛素材と既製品の起毛素材ではそれほどまでに、性能に雲泥の差があるのです。

また、フルオーダーでウェットスーツを作るとその仕上がりには本当に感動するものがあります。

性能はもちろんのこと、自分の身体へのフィット感、伸縮性、保温性、オリジナルのデザイン性、この世に1着しかない自分仕様のウェットスーツ。

性能が良くなるに比例して、その分お値段も上がってはしまいますが、まだオーダーウェットを体感したことがない方は是非一度、オーダーウェットを頼んでみて頂きたいものです。

​もちろん、当店ではフルオーダー可能・既製品も多数取り揃えておりますので、ウェットスーツ選びに困ったお客様、ウェットスーツの購入をご検討されているお客様、ぜひ一度お問合せ下さい。

もちろん、ご来店でのご相談もお待ちしております☆

- Yukihiro "TE2" Takahashi -

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